オリックス平野佳寿投手(39)が、かつての戦友に感謝とエールの12セーブ目を挙げた。

北海道の新球場で前日に続き、2点リードの9回に登板。1死から細川に中前打を許すも、続く浅間を146キロ直球で遊ゴロ併殺。1回0封で今季最長タイの5連勝&首位キープに貢献した。「リリーフ陣で頑張って、みんな投げられていた。ヒット出ましたけど、最後ダブルプレーでしっかり守ってくれましたし、良かったです」。6投手のリレーを締め、会心の笑みがはじけた。

特別な一戦だった。この日は、オリックスで長らく一緒に戦った日本ハム金子千尋特命コーチ(39)の引退セレモニーの開催日。練習開始前、ベンチにやってきた金子コーチから、「ファイナルピッチ」の打者役を頼まれた。「その後に、金子には内緒で交代するよって言われました。金子にサプライズって」。実際に打席に立ったのは金子コーチの息子。粋な演出で驚かせて喜ばせた。

1983年度生まれの同い年で、04年ドラフト1位が金子コーチで05年1位が平野佳。優勝が遠かった時代もともに戦い、プライベートでも多くの時間を過ごした特別な存在だった。「本当にエース。頼りになる、文句一つ言わないで投げていたピッチャーだった。同級生ながらすごく尊敬していました」。背中で見せるエースから、幾度と勝利のバトンを渡されてきた。

敵のコーチと選手。立場は変わるが、関係性は変わらない。「一緒にまた、野球界を盛り上げていけたら。これからも彼に頑張って欲しいし、僕もまだまだ頑張りたいなと思います」。名球会入りの条件の日米通算250セーブまであと17。旧友の存在も刺激に、リーグ3連覇を目指して腕を振る。【磯綾乃】

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