<西武4-1オリックス>◇2日◇ベルーナドーム
西武のドラフト4位、青山美夏人投手(22)は人知れず“ある感情”を抑えていた。
プロ初セーブを挙げた。両親への思いを問われると「やったぞ、やり返したぞ、って言いたいです」と笑顔で胸を張った。
3点差を守り、チームを今季初勝利に導いた。お立ち台に立った。「初めてづくしで。変な感覚っていうか。プロになったんだなって思いました」とあどけなさの残る表情で照れた。
開幕戦の9回、同点弾を浴びた。「早く投げたい。早くリベンジしたい」。悔しさは出さずとも、ボールには確かに乗り移った。
しかし。
悲しみだけは、誰にも見せなかった。
リベンジを期していた2日の試合前、父洋さんからLINEが届いた。
「ばあちゃんが今朝、亡くなりました。試合に出たら頑張ってくれ」
祖母の佳園子(かえこ)さんが2日未明、息を引き取った。84歳だった。
「自分、ばあちゃん子だったんですよ。小さい時とかも、近くに住んでいたので、泊まりに行ったりもして。本当に優しくて。自分、1人っ子だったので」
開幕戦で打たれ、翌1日もチームは敗れた。「開幕戦の夜よりは、負けが続いちゃったので、昨日の夜のほうが寝られなかったです」。寮のベッドで責任を感じていた、そんな時間帯のことだった。
「これから長いシーズンになると思いますが、自分がしっかり最後を締めくくって、もっともっと勝利を届けたいと思います」
ばあちゃんのために-。満員のファンに笑顔で誓ったその裏で、好青年は涙を隠していた。【金子真仁】
【西武】悲しみ隠してプロ初セーブの青山美夏人 祖母亡くなったその日にチーム初勝利に貢献 - プロ野球 - ニッカンスポーツ
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