ピンチの場面での登板も動じることはなかった。8月24日、阪神戦(京セラD大阪)。4対0と4点リードした9回裏、DeNAは二死一、二塁と阪神打線に攻め立てられた。ここでマウンドに上がったのは山﨑康晃。ハマの“小さな大魔神”は糸原健斗に対して1ボールから外角低めに得意のツーシームを投じ、中飛に仕留める。今季30セーブ目は史上8人目の通算200セーブ。さらに29歳10カ月での大台到達は、佐々木主浩(横浜)が記録した30歳6カ月を抜く史上最年少での達成だった。
「ファンの皆さまや監督、コーチ、トレーナー、家族など、たくさんの方が支えてくれたおかげで大きな数字になったと思うので感謝の気持ちを伝えたいです。同じく通算200セーブの記録を持つ偉大なプロ野球選手がいる中で、肩を並べることができて非常に光栄です」
2015年に亜大からドラフト1位でDeNAに入団。1年目から当時の中畑清監督にクローザーに抜擢されると、新人記録の37セーブをマーク。18、19年には最多セーブを獲得するなど、19年までの5年間で163セーブを挙げた。しかし翌年から暗転。20年は不調でクローザーの座をはく奪され、21年はセットアッパーとして登板。だが、守護神返り咲きの思いは強く持っていた。復活をかけた今季、チームは確固たるクローザー不在のまま開幕を迎えた。三嶋一輝と山﨑の状態がいいほうを9回に送り出す方針だったが、5月に三嶋が登録抹消されると、繰り上がりで山﨑がクローザーに。ここから背番号19はグングンと調子を上げてセーブを重ねていった。
好調の要因、それはストレートのキレに手ごたえをつかんでいることだという。
「直球でファウルが取れるようになり、自分はストレートで押していく投手なんだなと、あらためて特長が分かってきました。何より体の感覚に手応えを感じているのが一番かなと。ツーシームがフォーカスされがちですが、ストレートが僕の生命線です。自信を持って投げ込めるようになってからは去年のように、簡単にバットにとらえられることは減ってきているように感じます」
1年目からクローザーを任されたこともあり、9回のマウンドに立つことへのプライドは人一倍だ。
「僕はプロ野球の世界に入って、9回のマウンドが本当に特別な場所だと感じたんです。なかなかたどり着くことができない場所であって、リリーバーなら誰もがあこがれるマウンドです。精神的にもタフだし、高い技術も求められる。僕はここでずっと投げたいと強く思っています。今年はシーズンオフからクローザーの座を巡って、三嶋さんと切磋琢磨しながら、競ってきました。今、三嶋さんはファームですが、そうした思いも感じながら。僕自身はまだまだ、良くなるし、『こんなもんじゃない』というところを体で示していくつもりです」
チームは首位・ヤクルトと7ゲーム差の2位。逆転優勝へ正念場を迎えているが、もちろんあきらめるつもりはない。24年ぶりの歓喜へ、山﨑が勝利のマウンドで仁王立ちをする。
【文責:週刊ベースボール】
【コラム】史上最年少で通算200セーブ達成のDeNA・山﨑康晃、「僕はずっとここで投げたいと思っている」 - NPB
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