中国・安徽省馬鞍山市中級人民法院(地裁に相当)が今月24日、台湾師範大学の元副教授の男性に対し、スパイ罪で懲役4年、2万元(約32万円)の資産没収などの有罪判決を言い渡していた。中国政府の国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮報道官が25日の記者会見で明らかにした。
中国中央テレビ(CCTV)は10月、中国の国家安全当局が行った台湾のスパイ活動に対する捜査で、数百件の事案を取り締まったと報道。元副教授もスパイの1人として取り上げられていた。米高官が相次いで訪台するなど米台が関係を強める中、判決を公表することで「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権や支持者を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
CCTVによると、元副教授は2005~18年、中国の研究機関の会議に出席して入手した資料を台湾の情報当局に渡すなどして、経費として計160万台湾ドル(約590万円)を受け取った。番組は元副教授が「過ちを犯した」と罪を認める様子も放送。「情報当局は(与党の)民進党が進める台湾独立路線の道具になっている」と批判した。
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