Search

ロッテ 益田 ストッパーは映画のラストシーンのよう。来年は通算250セーブへ - スポーツナビ - スポーツナビ

 マリーンズの守護神として君臨し続けている益田直也投手が抑えの仕事は、映画のラストシーンに似ていると表現した。

 「映画を見ていて思うですよね。どんなに面白くても、最後のシーンがダメなら、映画自体の評価が落ちる。ダメになる。その最後の場面と抑えは被るところがある。みんなで繋いで繋いできたものが、最後に打たれたら消えてしまうわけですから。最後のエンディングがダメなら全部崩れてしまう。映画を見ていて難しいなあと思います」

 試合前練習を終えた益田はロッカーで、そのように話をしてくれた。エンターテイメントであるはずの映画を見ながら、そのような気持ちになる。それだけでもストッパーというポジションがいかに過酷で、メンタル的に辛いかが分かる。人は現実逃避をするために映画を見る。だれも娯楽として映画を見ていて、なかなか仕事を思い出さない。

 「たったの3アウト。1試合9イニングの27アウト中3アウトです。見ている人は簡単に思うかもしれない。抑えて当たり前と思われるかもしれない。でも、その3つが難しい」と益田。

 勝ち投手の権利。勝ち越しに導いた打者たち。リードを守った投手陣。ファインプレーもあっただろう。様々なものが積み重なり、最後がある。もちろん、試合序盤のまだ少し牧歌的な雰囲気と試合最後のピリピリした状況も違う。継投で繋がれた想い。勝利を願うスタンドのファン、テレビで見ているすべての人たちの願い。すべてがそのマウンドに注ぎ込まれている。
 
 「七回とか八回だとまだ味方の攻撃もありますしね。ビジターだとサヨナラ負けになってしまう。それで終わり。繋いできたものがすべて消えてしまう」(益田)。
 
 益田は、そんな修羅場のような日々を重ね、セーブを記録し続けている。5月18日のバファローズ戦ではZOZOマリンスタジアムでの通算100セーブを達成した。この時点で同一球場で100セーブを達成した選手はわずか3人。神宮での高津臣吾(スワローズ。現監督)、ナゴヤドーム(現バンデリンドームナゴヤ)の岩瀬仁紀(ドラゴンズ)、甲子園での藤川球児(タイガース)といずれも日本を代表するビックネームで、パ・リーグでは初の快挙となった。そして6月16日のベイスターズ戦(横浜スタジアム)で史上10人目となる通算200セーブを達成した。それでも益田の脳裏によぎるのはセーブ成功したことよりも失敗したことばかり。ストッパーの辛さはこういった時にも表れている。

 「色々ありますよね。17年でしたかね。子供の日に2点リードでデスパイネに同点2ランを打たれて、上林に勝ち越しソロを打たれた試合とか、2年前のT━岡田さんの逆転3ランとか。ボクもそうですけど、見てくれている人も、セーブ成功よりも打たれた方を覚えているのではないですかね」(益田)。
 
 誰もが味わったことがないような栄光をこのプロの世界で積み重ねてきている。しかし、ストッパーというポジションはそれでも昔の傷が痛む。今も心が痛む。時が解決してくれるものではないのだ。

 「難しいけど、抑えて当たり前と思われる。そこがまた辛い部分でもある。ただ一つ言えるのは難しくて大変だけど、やりがいがある」と決意を語る。

 そして「ストッパーって、どうですかと聞かれることありますけど、なかなか口で説明できるものではない。やった人しか分からない部分というか、奥が深すぎます」と重みを感じる言葉で締めた。
 
 600試合以上に登板、毎年、当たり前のように50試合以上、投げる。ルーキーイヤーの12年には72試合。18年には70試合に投げている。23年は58試合に投げて36セーブ。シーズンの半分近く、マウンドに上がった。それでいてここまで手術をするような大きな怪我は経験をしていない。文字通りの鉄人だ。

 「身体は丈夫。そこは産んでくれた親に感謝。そして自分というより周りの皆様のサポートのおかげです。自分だけではなく色々な人に支えてここまでこれている」と益田はしんみりと感謝の言葉を並べる。

 徹底的な自己マネジメントもある。ブルペンでは極力、投げない。基本的に10球。力を入れるのはブルペンの電話が鳴り、出番を告げられた後の3球。ストレート、変化球、ストレートの順番で思いっきり投げてマウンドへと向かう。それ以外の時間は身体をほぐしながら、モニター越しに試合を見つめる。相手打者などを観察し、自身の登板へのイメージを作る。それも大事な時間だ。

 今はメンタル部分でも大きな変化が加わった。「今まではすぐに失敗したらどうしようとかなっていたけど、今はだいぶ冷静に見れるようになりました。経験を重ねて感じるプレッシャーは減ってきたかなと。対打者というより対打線で広く物事を見れるようになったのも大きい。走者を出したくないとか、1点も取られたくないという感じではなく、勝てばいいと思えるようになった」と言う。

 次なる目標は個人では250セーブ。そしてチームとしてのリーグ優勝だ。「個人としては250セーブは頭にあります。チームとしてはもちろん優勝。ボクがセーブを重ねれば、おのずとチームの勝ち星も増える。来年こそ、みんなで優勝を分かち合いたい」と益田。いつも夢見るは優勝を決める試合で最後のマウンドに上がり、胴上げ投手になること。マウンド付近でチームメートと歓喜の花を咲かせる。そんな今まで見たことがない光景を味わうために24年も最後のマウンドに上がる。

千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章

 

Adblock test (Why?)


ロッテ 益田 ストッパーは映画のラストシーンのよう。来年は通算250セーブへ - スポーツナビ - スポーツナビ
Read More

Bagikan Berita Ini

0 Response to "ロッテ 益田 ストッパーは映画のラストシーンのよう。来年は通算250セーブへ - スポーツナビ - スポーツナビ"

Post a Comment

Powered by Blogger.