袋井はPK戦でGK熊切智也(2年)がセーブして勝利に貢献した。決勝トーナメント(T)進出を懸けた1次T4回戦8試合は22日に行われる。

袋井のGK熊切がほえた。0-0のまま、突入したPK戦。相手2人目のキックに右へ横っ跳び。決して大きいとは言えない172センチの体を目いっぱい伸ばし、右手ではじいた。「相手との駆け引きで、うまく自分の得意な方向で止めることができた。めちゃくちゃうれしかった」。最後は味方5人目の成功を見届け、歓喜の輪に飛び込んだ。

意地のビッグセーブだった。今季は高円宮杯U-18県Aリーグ、今春の総体西部地区予選で背番号「1」を背負ってきた。しかし、今大会は「21」に“降格”。先発の座も、定位置を争うライバルのGK鈴木遥介(2年)に奪われた。

「奪還」の思いを胸に迎えたこの日の初戦。0-0の後半40分、PK戦を目前に出番が来た。「絶対に結果を出してやろうと思った」。言葉通り、苦しむチームを救った。斎藤通也監督(44)も「期待に応え、よくやってくれた」と奮起の守護神をたたえた。

22日の次戦は浜松湖東と対戦。勝てば、8年連続の決勝トーナメント進出が決まる。熊切は「次は先発で出場して勝利に貢献できるように、練習からアピールしていきたい」と気を引き締め直した。【前田和哉】