◇渋谷真コラム・龍の背に乗って
◇3日 広島0―3中日(マツダ)
フェリスがピンチを断ち切り、松山が8回をねじ伏せ、マルティネスが9回を締めくくる。竜のブルペンが誇る90番トリオ。マルティネスは昨季に続く30セーブを挙げ、セ・リーグ単独トップに立った。
「神様のおかげだよ。今までの練習の成果が、この結果につながっている。監督やコーチがセーブシチュエーションを与えてくれることにも感謝したい」
2年連続の30セーブは、球団では2人目だ。1人目はもちろん岩瀬仁紀さん。2005年から9年連続でクリアしている。そのレジェンドに聞きたかったのは、プロ野球記録(当時、現在はセ・リーグ記録)の46セーブを挙げた05年の自分との比較である。
「そりゃライデルの方が上だよ。抑え方が僕より上だから。ねじ伏せる? そう。それが見ていて一番安心でしょ?」
普通は自分の方がまだ上だと言いたがるところだが、そうではないのが岩瀬さん。謙遜もあるとしても、今のマルティネスが日本記録レベルなのは間違いない。
防御率0・21、奪三振率12・14、WHIP(1イニングあたりで許す安打と四球)0・77は、いずれも当時の岩瀬さんを大きく上回る。ただ、岩瀬さんにとってはキャリア唯一の「被本塁打ゼロ」のシーズンでもある(マルティネスは1)。
「僕の能力的なことでいえば(入団当初の)中継ぎの頃の方が上だったかな。でもライデルは失敗ゼロでしょ? ゼロはすごい!」
マルティネスの1敗も3失点も、同点で登板した試合である。失敗しない男でいることが、どれほど難しいかは岩瀬さんが一番知っている。そんなレジェンドの絶賛を、マルティネスに伝えた。
「ホント? 岩瀬さんのことを意識しているわけではないけど、与えられた仕事に集中してマウンドに上がる。それだけだよ」
成功率100%の男はこう言った。惜しむらくはこの右腕にセーブ機会でバトンを渡す試合が、30では少なすぎるということだ。
岩瀬さん「抑え方が僕より上」2年連続30セーブの中日マルティネス 惜しむらくはバトン渡す試合が少なすぎ - goo.ne.jp
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