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球界ここだけの話ロッテ田村龍弘と益田直也の信頼関係 セーブ達成試合で見せた女房役の執念の一打とピンチ脱出劇 - サンスポ

九回を無失点で終えて通算200セーブを達成し、捕手の田村龍弘(左)と抱き合ってよろこぶロッテ・益田直也=横浜スタジアム(撮影・佐藤徳昭)

ロッテ・益田直也投手(33)が6月16日のDeNA戦(横浜)でプロ野球史上10人目となる通算200セーブを達成した。勝利の瞬間、バッテリーを組んだ田村龍弘捕手(29)が守護神の下へ真っ先に向かい、笑顔で抱擁を交わすシーンが印象的だった。

田村にとって益田は自主トレをともに行う尊敬する先輩。200セーブのうち、「100セーブくらいは自分と(バッテリーを)組んだかな」と話すほど長年コンビを組んできた。だからこそ、特別な「1セーブ」にかける思いが強かった。

熱量が全面に表れた場面があった。3-2の八回の攻撃だ。2死満塁の好機で打席に入ると、1ストライクから151キロの直球に食らいついて中前への2点適時打とし、リードを3点に広げた。

「益田さんの家族がきているのを知っていた。なるべく楽なセーブシチュエーションで(出番に)回してあげたかったので、あそこはいつも以上に気合が入った。益田さんなら1点差でも抑えると思うけど、気持ち的にね」。言葉に尊敬の念がにじんだ。

マウンドでは「ずっと不安」という益田が、「メンタル的に少し余裕をもっていける」というシーンは3点の差あるときだ。守護神が「〝たむ〟があそこで2点タイムリーを打ってくれたので、だいぶ楽になった」と話す価値ある一打で援護。「節目はマスクを被っていたかった。うれしい」と笑った。

1軍での出場が2試合にとどまった昨季、ファームで調整を続ける中、益田から「体は大丈夫なん? 絶対必要とされる時期がくるから準備しとけよ」などとこまめに連絡が入った。「感謝しています」。互いに高め合う様子がうかがえる。

信頼関係を築く2人らしいプレーがもう一つ。6月24日の日本ハム戦(ZOZOマリン)だ。4-4の九回。1人の打者が2度もスクイズを試みる奇襲を、2度のピッチドアウトで防いだ。しかも2度目はフルカウントから四球覚悟でトライした。「あの場面はクローザーの益田さんが投げていて簡単には打てない。(フルカウントからのスクイズも)予想外のことではない」と田村。守護神への絶対的な信頼が危機回避につながった。

絶体絶命のピンチは被二塁打と捕手の野選で招いており、ヒーローインタビューでは「2人でつくったピンチなのでちょっとお立ち台が恥ずかしい」と田村。益田も「〝たむ〟と2人でつくったピンチをゼロで抑えられてよかった」と続けた。くだけたトークからも、また2人の関係性が垣間見えた。(武田千怜)

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