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【米下院選】陰謀論の「Qアノン」議員が続々誕生 - Newsweekjapan

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<大統領選と同時に開催された連邦議会・州議会選挙で、Qアノン信奉者数人がれっきとした政治家デビューを果たした>

米大統領選挙と同時に実施された連邦下院議員選挙で、陰謀論を唱える「QAnon(Qアノン)」を支持する複数の人物が当選を確実にした。これで遂に、Qアノン信奉者から正真正銘の「政治家」が誕生することになる。

ジョージア州第14選挙区での当選を確実にしたのは、マージョリー・テイラー・グリーン。過激な陰謀論のみならず、人種差別や反ユダヤ主義、イスラム嫌悪などにも支持を表明してきた、Qアノン信奉者の中で最も有名な人物のひとりだ。同選挙区での対抗馬だった民主党候補が9月に選挙戦から撤退したため、不戦勝となった。

彼女は2017年8月にフェイスブックに投稿した動画の中で、「今こそ、サタンを崇拝する小児性愛者たちを追放するまたとないチャンスだ。私たちにはそれができる大統領がいる」と述べていた。Qアノンはドナルド・トランプ米大統領が「ディープステート(アメリカを動かす影の政府)」やサタン崇拝の小児性愛者たちと密かに戦っていると主張している。

公用車にスローガンのステッカー

選挙活動中、グリーンに対しては、Qアノンへの支持やこれまでの人種差別的な発言についての質問が寄せられた。後にグリーンは、反ユダヤ主義に基づくとみられる過激な陰謀論から距離を置き、FOXニュースに対して、Qアノンについて独自に調べたところ「デマ情報」があったと述べ、「(Qアノンとは)別の道を行く」ことにしたと語っていた。

今回の選挙では、Qアノンの陰謀論を受け入れるか少なくとも否定しない候補者がほかにも数十人いたが、当選したのは数人だった。

そのひとりが、共和党のエリック・バーセル上院議員(現職)だ。バーセルは公用車に「#WWG1WGA」――Qアノンのスローガン「Where we go one, we go all(我々はひとつになる場所に共に向かう)の略――というステッカーを貼っていたことが物議を醸したが、なんとか再選を果たした。

バーセルは9月に、このステッカーを車に貼っていたことについて釈明。Qアノンが唱える「サタンを崇拝する小児性愛者たちの秘密結社」などの「過激な陰謀論」は支持していないが、「政治の腐敗を阻止し、政府に説明責任を求め、個人の自由を守る」など彼らが掲げる一部の主張は支持していると述べた。

同選挙区の民主党候補ジェフ・デマレイは、バーセルは「極右の常軌を逸した陰謀論」とつながりがあり、上院議員にふさわしくないと主張。「選挙で選ばれた人物が、公用車を使って有害な議論や情報をまき散らしている」と述べ、「そんな人物に、公職に就く資格はない」と主張した。

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