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危険なバイデン氏への過剰期待 トランプ政権と大きく違う対中政策 - livedoor

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 米大統領選は、民主党のジョー・バイデン前副大統領が勝利を宣言した。ドナルド・トランプ大統領は敗北を認めず、法廷闘争を続けているが、バイデン氏の当選は動かないだろう。

 来年1月20日にバイデン大統領が誕生すると、日本にどんな影響があるだろうか。

 鍵を握るのは、バイデン政権の対中政策だ。私はバイデン政権はトランプ政権よりも中国に融和的とみている。

 そうだとすれば、日本の経済界は対中ビジネスに入れ込んでいるので、経済面では当面、安心感が広がり「一息つく」形になるだろう。実際、バイデン氏の勝利宣言を受けた11月9日(月曜日)の日経平均は大幅高になった。

 だが、少し長い目で見れば、米中間の政治的緊張が再び増して、日本は不安定な立場に置かれる可能性が強い。そうなると、政治面だけでなく、経済面でも厳しくなる。企業関係者には「バイデン勝利を手放しで喜ぶのは危険」と言っておきたい。

 バイデン氏の融和姿勢は、どこでうかがえるか。

 大統領選で発表した政策集をみると、例えば、中国の為替操作や反ダンピング措置、国有企業の優遇策、膨大な補助金について「厳しい是正措置をとる」と記している。

 だが、トランプ政権が中国との通商交渉でまとめた「第1段階の合意」については「細切れで効果がない」と批判し、「より良く調整され、効果的な戦略に置き換える」と表明している。つまり、対中制裁関税は抜本的に見直される可能性がある。

 対中外交全体でも、中国の人権弾圧を厳しく批判する一方で、北朝鮮の非核化や自身が重視している気候変動問題では、明確に中国の協力を期待する姿勢を打ち出している。これはもちろん、中国には絶好の取引材料になる。

 象徴的なのは、新型コロナウイルス問題だ。

 トランプ政権は中国との親密な関係が浮き彫りになった世界保健機関(WHO)から脱退したが、バイデン氏は「直ちに復帰する」と宣言した。ましてや、中国に損害賠償を求めるなどとは、一言も触れていない。

 ようするに、バイデン政権は中国をライバル視し「不公正な貿易慣行や人権弾圧は許せない」と言っているが、だからといって「相手が崩壊するまで戦う」などとは、露(つゆ)ほども思っていないのである。

 ここが、「中国共産党こそが諸悪の根源」とみなしたトランプ政権との大きな違いだ。

 中国は当然、このスキを突いてくる。相手の要求に応じるふりをして、時間を稼ぎ、チャンスと見れば、一挙に攻勢に出るだろう。それに気がつけば、バイデン政権も強硬方針に転じざるを得ない。

 独裁政権の本質は変わらない。変わるのはバイデン側で、問題は「いつ相手の邪悪さに気がつくかどうか」なのだ。トランプ氏は末期になって気がついたが、バイデン氏はまだ理解していない。

 もっとも、来年の大統領就任式までに中国が台湾奪取に動く可能性もある。そうなれば、米中の緊張が一挙に高まり、以上の話はご破算だ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。

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