【ワシントン=平田雄介】米国で初めて緊急使用許可を申請した米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、トランプ米政権の開発支援計画「ワープスピード(超光速)作戦」を率いるモンセフ・スラウイ博士は22日、米CNNテレビの番組で「手続きが順調に進めば、来月11日か12日に最初の予防接種が行われる」との見通しを示した。
米食品医薬品局(FDA)は来月10日にファイザー製ワクチンの安全性や有効性を審議する予定。スラウイ氏は番組で、「緊急使用が認められてから24時間以内にワクチンが輸送される計画だ」と述べた。
スラウイ氏は、米社会の一定の人口が免疫を獲得し新型コロナ感染症の流行が抑制される「集団免疫」の状態に至るには「人口の70%程度」が予防接種を受ける必要があるとも指摘。ワクチンが米国民に行き渡り、予防接種の効果が確認されて、経済・社会活動を元通りに再開できる時期を「来年5月中」と語った。
ただ、米ギャロップ社の世論調査で予防接種を受けると答えた人は58%に止まる。予防接種の普及に向けてワクチンの信頼性が課題とされる中、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、同日出演した米CBSテレビの番組で、「透明性」の確保がカギを握るとの見解を示した。
米バイオテクノロジー企業モデルナも、近く自社製ワクチンの緊急使用許可をFDAに申請する見通し。
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