バイデン前副大統領の当選が確実になるなかで結果を覆すのは難しい情勢だが、トランプ大統領は認定後も法廷闘争を続けるとみられる=いずれもAP
【ワシントン=永沢毅】米大統領選は23日から激戦州で勝敗を公式に認定する手続きが本格化する。民主党のバイデン前副大統領の当選が確実になるなかで結果を覆すのは難しい情勢だが、トランプ大統領は認定後も法廷闘争を続けるとみられる。最終決着までなお曲折がありそうだ。
激戦州の一つ、東部ペンシルベニア州では各郡が結果を23日までに認定し、州政府へ報告する。州務長官が同日中にも結果を認定し、公式に勝敗が固まる。中西部ミシガン州も23日に共和党と民主党の代表者が結果を認定するかどうかを投票し、結果を確定する。
西部ネバダ州では24日に州最高裁判所が結果を認定し、同日中にも州政府が確定する。トランプ氏の選挙陣営が一部の郡で得票の再集計を申し立てた中西部ウィスコンシン州も12月1日までに結果を認定する。
大統領選では各州で投票や開票の手続き、結果の確定方法が異なる。これらの4州はいずれもバイデン氏が勝利を確実にしており、専門家の間では認定後に結果が変わる可能性は極めて小さいとの見方が大半だ。それでもトランプ氏は勝利に固執する構えをみせる。
例えばペンシルベニア州の連邦地裁は21日、バイデン氏の勝利を認定しないよう求めたトランプ陣営の申し立てを退ける判断を下した。ただ、トランプ陣営はこれを受けて「連邦最高裁判所に判断を持ち込む私たちの戦略の手助けになる」と声明で表明した。
連邦最高裁はトランプ氏や共和党に近い保守派の判事が過半数を占めている。トランプ陣営は最後はトランプ氏に有利な判断が下されるとなお期待し、上訴によって連邦最高裁まで法廷闘争を持ち込む可能性がある。この場合、確定期限のはずの23日を過ぎても、最終決着にはなお時間を要することになる。
再集計を実施した南部ジョージア州は確定期限の20日にバイデン氏の勝利を公式に認定した。しかし、トランプ陣営は21日夜に再々集計を申し立てた。トランプ氏はこれに先立ち「ジョージアで大きな不正投票があったとの情報がある」とツイートし、諦める姿勢をみせていなかった。
ミシガンに関しても、トランプ氏は21日にツイッターに「巨大な不正投票が明らかになるだろう!」と書き込んだ。20日に同州議会の共和党幹部をホワイトハウスに招き、開票結果を認めないよう働きかけたとされる。ただ、会談後に同幹部は「選挙結果を変更するような情報を得ていない」との声明を出した。
次の節目となる可能性があるのが、全米の各州が選挙結果を確定させて選挙人を選ぶ期限となる12月8日と、その選挙人が実際に大統領候補に投票する同14日だ。ただ、訴訟によって選挙結果をこのときまでに確定できない州は選挙人を指名するのが難しくなる。
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