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スコットランド独立機運高まる コロナ対策とEU離脱への不満背景に - 産経ニュース

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英北部スコットランドの議会で発言する、同行政府のスタージョン首相=17日、エジンバラ(ロイター)
英北部スコットランドの議会で発言する、同行政府のスタージョン首相=17日、エジンバラ(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】英北部スコットランドで英国からの独立を求める声が高まっている。英国の欧州連合(EU)離脱に対する反発とともに、新型コロナウイルス対策をめぐり中央政府への不信感が強まったことが要因だ。スコットランド行政府のスタージョン首相は独立の是非を問う2度目の住民投票を行う計画を進め、ジョンソン英政権への圧力を強めている。

 スタージョン氏は1日、行政府の年次計画を発表し、住民投票実施に向けた法案を2021年5月のスコットランド議会選までに公表する方針を示した。法案には具体的な投票日程が明記される予定。スタージョン氏は「スコットランド人には自ら未来を選択する権利がある」と訴えた。

 スタージョン氏が強気の姿勢を見せるのは独立の支持者が増えているからだ。14年に実施された1回目の住民投票では経済的な悪影響を懸念した有権者が目立ち、賛成約45%、反対約55%で独立は否決された。だが、英国がEUを離脱した今年1月末に英調査会社パネルベースが行った調査では約52%が独立に賛成。スコットランドではEU残留を求める声が強かったことが影響したとみられる。

 さらに8月12~18日の調査で独立の支持率は約55%に上昇した。別の英調査会社によると、9月に入っても5割を超える住民が独立を支持している。ここにきて独立支持が勢いを増した理由として、「コロナ対策でスタージョン氏がジョンソン首相より優れた手腕を示したため」(英紙フィナンシャル・タイムズは)とも分析されている。

 ジョンソン政権は新型コロナの感染拡大を防ぐ外出制限の導入で他の欧州諸国に出遅れ、英国の新型コロナの死者数は一時、米国に次ぐ世界2位となった。一方、スタージョン氏は独自の対策を展開。イングランドより早く店舗内のマスク着用を義務付けたほか、外出制限後の小売店の営業再開などを遅らせた。9月27日時点でスコットランドの10万人あたりの累計感染者数は約500人で、600人を超えるイングランドに比べて抑制されている。

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