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Virta Health, Business Insider Intelligence
- 医療業界のデジタルトランスフォーメーションが進むなか、遠隔医療の導入に弾みがついている。
- 遠隔医療によって院外でも看護スタッフによる患者の見守りが可能に。また、医療提供者は患者のデータをリアルタイムで把握できるようになる。
- この記事はビジネスインサイダー・インテリジェンスのプレミアム・リサーチ・レポート「アメリカにおける遠隔医療市場(The US Telehealth Market)」のプレビュー版。レポート完全版(有料)はこちらから
遠隔医療は患者側のみならず、医療機関にも利点が多い
医療機関とIT企業などの連携で拡大するデジタル医療。その一画を占めるのが遠隔医療の分野だ。
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医療業界のデジタルトランスフォーメーションが進むなか、従来の対面診療に代わる遠隔医療(テレヘルス)に注目が集まっている。
在宅ケアを支える重要な柱として、遠隔医療が最初に注目されたのは高齢者ケアの分野だ。アメリカ退職者協会(AARP)の調査によると、65歳以上の高齢者の87%が、現在住んでいる自宅やコミュニティに住み続けたいと考えているという。最近メディケア(アメリカの高齢者向けの公的医療保険制度)が遠隔医療に対する適用制限を緩和したことで、今後はさらなる普及が見込まれる。
遠隔医療の恩恵を受けられるのは高齢者だけはない。提供する側の医療機関にとってもコスト削減、再入院率の減少、診療可能な患者数の増加など、多くのメリットがある。
技術の進歩によって予防医療やウェルネス・ベースの医療モデルが確立され、パーソナライズされたケアへが希求が高まるなか、バーチャルなソリューションを活用した医療サービスへの抵抗感が薄れている。ビジネスインサイダー・インテリジェンスによる保険とテクノロジーに関する2018年の調査では、回答者の57%が「一般的な医師への医療相談の場合、遠隔受診の選択肢があれば選びたい」としている。
院外でも切れ目ない見守りを実現
アメリカにおける遠隔医療の普及率の推移と予想。
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遠隔医療とは、ビデオ通話での診療やモニタリングツールによる患者の状態把握など、情報通信技術を活用した医療サービスのことを指す。これによって、病院やクリニックの外での医師の診療や、看護スタッフによる切れ目のない見守りが実現できる。また、患者の生体データをリアルタイムで医療提供者に供給できるようになる。
遠隔医療サービスは、テクノロジーを使って離れた場所にいる患者にアドバイスを与えるなどして、症状の改善を目指す。ウェアラブル端末などのモニタリングツール、ビデオ通話、電子カルテ、医療用モバイルアプリなど、さまざまな情報通信技術が用いられる。
主要な遠隔医療サービスには以下のものがある。
遠隔診療・テレメディシン
バーチャル・ヘルスとも呼ばれる。遠隔医療のなかでも、一般の人が最もイメージしやすいのがテレメディシンだろう。電話、ビデオ通話、チャットなどで医師や看護師が患者と直接やりとりするものを指す。
遠隔モニタリング
遠隔患者モニタリングとも呼ばれる。医療機関の外で、患者の健康状態をモニタリングすること。患者と医師の間で情報を電子的に転送する専用技術を指す。
遠隔看護
看護師がテクノロジーを介して遠隔的に患者のケアを行うこと。モバイル機器、パソコン、音声やビデオ通話、モニタリングツールなどを活用して患者とコミュニケーションを取ったり、健康状態に目配りしたりする。
遠隔理学療法
テレPT、テレメディシンPT、バーチャルPTなどとも呼ばれる。理学療法士が病院やクリニックで患者にリハビリを施す代わりに、通信機器を使ってリモートで指導する。整形外科理学療法、高齢者理学療法、神経疾患理学療法などのカテゴリーがある。
遠隔精神医療
テレヘルス・メンタルヘルス、テレセラピーなどとも呼ばれる。患者と精神科医がメール、チャット、ビデオ通話などの手段で直接やり取りする診療のほか、精神科医がかかりつけ医に専門的な助言を行う場合もある。LARKR、Talkspace、Pacifiaなどの専用アプリがある。
遠隔医療の保険適用:メディケアと民間保険
(アメリカでは)民間保険の遠隔医療への適用や医療提供者への償還率は一律に決まっていない。だが、同等の診療内容であれば、「遠隔」と「対面」で保険会社から医療機関に支払われる診療報酬に大きな差が出ないように法律で定めている州が多い。
公的医療保険を運営するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は最近、任意加入の「メディケア・アドバンテージ」プランでの遠隔医療への保険適用を決めた。
遠隔医療に関するメディケアの保険適用の詳細はこちらを参照。
パーソナライズ医療の実現、現場の負担軽減…
「医療機関への満足度を左右するのは何か」を問うアンケートでは、「短い待ち時間」がトップに。
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遠隔医療によって、労働力不足に喘ぐ医療現場の負荷軽減を期待できる。リモート診療を取り入れることで外来患者数を減らし、対面診療では、より深刻で緊急性の高い病状の患者を優先することが可能となる。
また、遠隔医療を取り入れている医療機関は「再入院ペナルティー(アメリカにおける、医療の質向上のために公的医療保険が設けている医療機関へのペナルティー制度。退院後に状態が悪化し再入院した患者に対して、医療機関への診療報酬が減額される)」の発生を抑えられている。
遠隔医療技術によって、医師や看護師が院外の患者にも目配りできるようになったり、患者の生体データをリアルタイムで把握できるようになった。これらのことは症状の悪化を防ぎ、入院回数の減少につながっている。
「医師の診断を補助するツール」「医療機関の新たな収入源」「パーソナライズされた医療を届ける手段」など、遠隔医療技術はさまざまな役割を担っている。外来患者をバーチャルな手段で診ることができれば、より広いリーチが可能となり、待ち時間も減らせる。治療へのエンゲージメント向上や、患者と医療提供者との信頼関係の醸成にも役立つ。
遠隔医療はかなりの割合で対面診療を代替できるかもしれない。ビジネスインサイダー・インテリジェンスは、年間に発生する外来診療12億件(アメリカ疾病対策センター調べ)のうち42〜45%は、現存する技術を使って遠隔的に診療が可能になると見ている。
ビジネスインサイダー・インテリジェンスによるプレミアム・リサーチ・レポート「アメリカにおける遠隔医療市場(US Telehealth Market)」では、あまりよく知られていない遠隔医療の市場について解説し、今後の成長の可能性を展望する。
遠隔医療の普及を後押ししている要因を探りつつ、ステークホルダーそれぞれが遠隔医療から得られる利点を分析する。導入を阻んでいる主な障壁についても触れ、医療提供者、保険者、遠隔医療ソリューション提供企業などが、どのようにこれを乗り越えようとしているのかを解説する。
本レポートのキーポイント:
- 診療コストの増大、社会の高齢化、利用者中心の医療サービスへの転換など、現在アメリカの医療業界は難しい局面に立たされている。医療機関はリソース不足に喘ぎ、保険会社や公的医療保険が支払う診療費も膨らむばかりだ。こうした課題を解決するひとつの方法が、遠隔医療だ。
- 遠隔医療によってどんな患者でも治療できるわけではない。しかし、現時点でアメリカ国民の45%(約1.47億人)がその対象となり得る。
- 普及率はまだ低いものの、多くの人が遠隔医療を受けることに前向きだ(ビジネスインサイダー・インテリジェンスが2018年に行った保険とテクノロジーに関する調査による)。
- 多くの企業は遠隔医療ソリューションの導入により、コストを削減したり、潜在的なリスクを避けることができる。
本レポートの完全版では:
- さまざまなタイプの遠隔医療を紹介し、アメリカの医療業界でどのように活用されているのかを解説する。
- 遠隔医療の普及を後押ししている要因や、導入の利点を示す。
- ビジネスインサイダー・インテリジェンスが、2018年に行った保険とテクノロジーに関する調査で得られたデータや知見を掲載する。
- 保険者、医療機器メーカー、医療機関など、遠隔医療の分野における主要プレイヤーを紹介する。
- 医療機関や保険会社が遠隔医療を活用するにあたり、どのようなアプローチを取ればよいのかを提案する。
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(翻訳・野澤朋代、編集・佐藤葉)
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August 21, 2020 at 08:30AM
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